セルナンバー8(第8病棟)

病室仕立のこの街で頭をスライスしてくれるカプセルの味忘れられないぜセルナンバー8

ほっかいどうっ!

(はじめに)

前にtwitterで書いたひどい短編を加筆修正しつつ上げてみる。

47都道府県の名前をなんかの略称ということにしてすこし不思議の方のSF入れてという自分縛りで始めたものの3つくらいで飽きた。あおもりっ!いわてっ!を書いて、まさにあきたっ!を書こうとして飽きた。(苦笑)

暇を見つけてちまちま書いていこうかなあと。んでは以下本編。

 

 

第一話 ほっかいどうっ!

あ、はじめまして。わたし岩見沢美瑛と申します。17歳の普通の女子高生ですがこう見えてもわたし実は超能力があるんですよ。いわゆるエスパーってヤツですかね。ふふん♪
どんな能力があるかって?じゃーん!なんと瞬間移動出来ちゃうんです!英語だとテレポーテーションって言うらしいんですよ。わたしスゴいでしょ!ただ…瞬間移動するのにはちょっとだけコツが要るんですよね。いや、コツというか道具というか…ハハハ…。
最初は自分でも信じられなかったんだけど、いざ自分が超能力者になってみると…いやなってみるとって言うよりは超能力者だったって気づいたって言うのかな。
海外ドラマのヒーローズ見て超能力あったらいいなとは思ったけど、まさか自分がなんて、ねえ。でも今では本当は誰もが超能力者なんだけどそれに気づいてないだけかもしれないなんて思ったりしてます。わたしもあのきっかけがなければずーっと気付かなかったかもしれません。そのきっかけっていうのが…。んー、ちょっと恥ずかしいんですけど笑わないで聞いてくださいね。

あの朝、わたしは焦っていたんです。部活の朝練の準備で一番に行って体育倉庫の鍵を開けなくちゃいけないのに寝坊しちゃって…。あの鬼部長になんて言われるかと思ってとにかく焦っていたんです。そうそう。今、わたし一人暮らしなんですよ。お父さんとお母さんは大学の研究があるとかで南極に行っちゃってて。前の晩に友達が遊びに来てピザ頼んでゲームして遊んでたんです。
で、友達帰った後そのままソファで寝ちゃったんですよね。後片付けもせずに。で、起きたら出かけなきゃ行けない時間を過ぎてて…。
「体育倉庫、体育倉庫。」慌てすぎたわたしはうわ言のように体育倉庫と呟きながら、準備をしてたんですけど、あの、そのですね。パンツを履き替えようとしたときに足を滑らせてしまったんですよ。 テーブルの上に尻もちをつくような形になってしまったんですが…、ピザパーティーした後の散らかったテーブルの上には蓋を閉めていないタバスコの瓶が…。 その瓶がですね…、刺さったんですよ。その、あの、お尻の穴にすっぽりと。最初は何が起こったのかわかりませんでしたが…。不幸中の幸いというか瓶の先っちょが刺さっただけで割れたりしなかったのは本当によかったと今でも思っています。でも、やっぱりさすがはタバスコです。じんわりと痛みが襲ってきました。 辛いものを食べた翌日なんてレベルじゃない痛みが脳天を直撃しました。「ひぎゃqqあhshしcうぃうかがjkskxhかlkklbcwqd。」言葉にならない叫びを上げた次の瞬間。 わたしの体は不思議な感覚に包まれました。なんだろうふわっとするというか無重力状態というかそんな感じです。でもお尻の痛みがあるのでよくわからないんですが。
すると何故かわたしはパンツを履こうとした体勢のまま学校の体育倉庫の前にいたんです。その、お尻にタバスコの瓶が刺さったままの状態で。
何が起こったのかさっぱりわかりませんでしたが、学校の時計を見たら着く予定だった時間より早い。痛むお尻からタバスコの瓶を抜いてきちんとパンツを履きました。お尻はじんわり熱さというか痛さというかがそのままだったけど、妙に冷静になれました。ただ、その日の朝練はとてもじゃないけど無理でした。走るだけでお尻が焼けるようで。

そんなことがあって図書館に行っていろんな本を読んでみたりしたんです。でも、あまりいい本が見つからなくて。図書委員に「お尻にタバスコを刺したらどうなるかわかる本ありますか?」なんて聞くわけにもいかないし。
超能力の本は全部空想小説みたいなものばかりで、図書館で肩を落としていると、クラスメイトの女満別さんが声をかけてくれたんです。「どうしたの?」って。
女満別さんとはあまり話したこともなかったんだけど、科学部部長だし、もしかしたらと思って相談してみたんです。…あ、図書館では話しにくかったので理科室で。
何故かラベンダーの香りがする理科室で女満別さんに話すと意外な答えが帰ってきたんです。要約すると・人の脳にはまだ未知の部分が多い。・刺激で眠っていた部分が起こされたのかも。・火事場の馬鹿力的なものね。・とりあえず一度じゃデータが足りない。・ただやりすぎて慣れたら出来なくなるかもしれない。というようなことでした。そんな女満別さんの言葉を信じて日を置いて何度か実験してみました。
そのおかげで空間の跳躍はある程度出来るようになりました。まだ行ったことのないところに飛ぶのは出来ないようです。
お尻にタバスコの瓶を刺すのは未だ抵抗がありますが、自分の力を知りたいという好奇心が勝りました。でも、やはり一度やるとその日一日はお尻が熱くてたまりません。
相談した女満別さんに報告すると、集中力や思い込む力をつければスーパーマンみたいにすごい力を出したり空も飛べるかもよ、と言われましたがそれは遠慮したいです。お尻にタバスコの瓶刺したまま飛ぶとか無理です。あと、超激辛というドクロマークのついたタバスコの瓶をプレゼントされました。「万が一の時のためにこれを持っておきなさい。」と。

でも、その万が一の時は突然やってきました。学園祭の前日です。バレー部は何故か仮装喫茶をやることになっていました。わたしのやるのは猫耳のバニーガール。キャットガールとでも言うんでしょうか。
その帰り道です。同じバレー部の日高さんと一緒に帰っていたんですが「あ、美瑛。ちょっとわたし銀行に寄るから待ってて。」「うん、じゃここで待ってるね。」
日高さんが銀行に入ると突然非常ベルが鳴り響きました。「え?え?」あれよあれよという間にけたたましいサイレンを響かせパトカーが駆けつけドラマでおなじみの銀行強盗篭城のシーンがあっという間に出来ていました。
しかも残念なことにどうやら本物のようです。だって刑事にかっこいい人とかいないし。
あまりにも非日常的な光景にドキドキしました。少しすると犯人が日高さんの頭に銃口をつきつけて「逃走用の車を用意しろ」と叫びました。
そこでわたしはハッとしました。わたしの能力はこんなときのために使わなくちゃだと。
すぐ近くの公園のトイレで仮装喫茶用の衣装に着替えました。でも顔を隠すのどうしよう。
そこにはバレーのブルマがありました。「これだ!」猫耳ブルマ仮面の誕生でした。尻尾を超激辛タバスコのカバーにしてお尻に刺して…。
「はうあああああああああっ!!!!」次の瞬間にわたしは銀行の中にいました。
「な、な、なんだ。お前は!」見事に犯人の目の前に現れました。「猫耳ブルマ仮面!ホットに只今参上!」
うろたえる犯人の前でわたしは自分の尻尾を引っ張り上げました。「ひぎゃああああああああああああ」超激辛のタバスコがお尻の中に入っていきます。力任せに殴った犯人はガラスを突き破りパトカーの前まで飛んでいったようです。
「ありがとうございます」「ありがとうございます」銀行内の人の感謝の言葉もそこそこにわたしは逃げなければなりませんでした。
次の日の新聞には「正義の味方現わる?」などと取り上げられていましたが、わたしはその新聞を残念ながら病院のベッドで読んでいます。 超激辛タバスコを注入しすぎて直腸が炎症を起こしたようです。学園祭楽しみだったのになぁ。


ほっかいどうっ!~ホットな浣腸で瞬間移動~完


あ、そうそう。これ最後に。良い子のみんなはタバスコをお尻に突っ込んだりしないでね!美瑛との約束だよ!

 

 

 

ホント酷いけどこういうのが好きw